オルカンとは?全世界に分散投資できる人気ファンドを徹底解説!
資産運用や投資信託について調べていると、「オルカン」という言葉よ見かけると思います。
オルカンは投資初心者から上級者まで幅広い層に支持されている、大人気の投資信託の愛称です。
この記事では、オルカンの正体・特徴・他の投資信託との違い・購入方法・どんな人に向いているのかまで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
オルカンとは?基本情報をわかりやすく解説
オルカンの正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
三菱UFJアセットマネジメントが運用する、全世界の株式に分散投資できるインデックスファンドの一つになります。
オルカンは、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」という指数に連動するよう設計されており、先進国・新興国を含む約50カ国の株式市場に投資できます。
しかも、日本を含む「全世界株式」に対応しているため、日本株と海外株のバランスも自動で調整してくれるスグレモノです。
オルカンの特徴とメリット
全世界に分散投資できる
オルカンの最大の魅力は、たった1本で世界中の株式市場に投資できる点です。
具体的には、米国・ヨーロッパ・日本・中国・インドなど、世界中の大型・中型株に幅広く分散投資されています。
そのため、何らかの事情で一国の経済が悪化しても他国がカバーするため、限定的なダメージで済みます。
一国や一地域に偏ったリスクを避けられ、長期的な資産形成に適しています。
圧倒的に低コスト
オルカンは「eMAXIS Slim」シリーズの一員であり、業界でもトップクラスの低コスト運用を実現しています。
信託報酬(運用手数料)は年率わずか0.05775%(税込・2025年7月現在)であり、隠れコストを入れても0.1%ぐらいです。
長期投資で運用手数料が高くなると、利益を圧迫していくため、運用手数料の低いオルカンは長期投資に最適な投資先になります。
さらに、他社が同じような投資信託をより安い手数料で出せば、オルカンもすぐに追随して下げるという「コスト最安を目指すファンド」です。
自動リバランス
オルカンでは、各国の経済状況や時価総額の変化に応じて、ポートフォリオの調整(リバランス)を自動で行ってくれます。
投資家が自ら調整する必要がないため、初心者にも安心であり、各国の相場を調べる必要がありません。
長期投資に最適
世界経済は短期的には上下しますが、長期的には成長してきた実績があります。
オルカンは世界経済の成長に連動するインデックスに投資しているため、長期で保有するほどリターンが安定しやすいです。
30年保有すると、最低でも平均年率5%を確保することができ、長期投資で安定したリターンを確保できる点が、最大の魅力になります。
オルカンのデメリットや注意点
どんな優れた商品でもデメリットはあります。
ここでは、オルカンの注意点をいくつか挙げておきます。
為替リスクがある
オルカンは海外株式を多く含むため、円高や円安といった為替の変動によって基準価額が大きく影響を受けます。
そのため、為替リスクを完全には避けることはできません。
経済危機の影響を受けやすい
世界全体に分散しているとはいえ、リーマンショックやコロナショックのような世界的な不況時には、オルカンも大きく下落します。
オルカンも投資であるため、リスクがゼロでないことを理解しておきましょう。
分配金(配当)がない
オルカンの配当金はすべて自動的に再投資されるため、配当目的の投資先には向きません。
ただし、配当金の再投資を考えてる場合は、配当金に対する20.315%の税金を支払う必要がなく、税金分も運用に回すことができます。
そのため、配当金を再投資するより、効率のよい資産運用が可能になるでしょう。
オルカンと他の投資信託との違い
オルカン vs S&P500(米国集中型)
S&P500は米国の代表的な500社に投資するファンドです。
一方、オルカンは米国以外の国を含めて分散投資されています。
米国に賭けたい人
米国の経済成長が今後も伸び続けると思う場合は、 S&P500に投資するのが良いです。
世界全体に分散したい人
米国のみの集中投資に不安がある場合は、オルカンが良いでしょう。
ただし、オルカンの約60%を米国企業が締めており、長期で見るとS&P500のほうが利益率が高いです。
オルカン vs TOPIX
TOPIXは日本の指数であり、日本に上場している企業の約2,000社で構成されています。
オルカンとの大きな違いは、為替リスクがないことです。
ただし、オルカンは日本も含む全世界に分散していますが、為替リスクがあります。
為替リスクが避けるならTOPIX
為替リスクがなく、為替の変動を気にする必要がないため、円安になっても基準価格に影響がありません。
リスク分散を重視するならオルカン
日本のみの投資に不安がある場合は、全世界に投資ができるオルカンがおすすめです。
オルカン vs 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
楽天・全世界株式(楽天VT)はバンガード社のETF「VT」を買い付けるファンドですが、信託報酬はオルカンの方が安く、純資産額も多いため流動性も高いです。
構成銘柄に違いがありますが、大きな違いとは言えず、信託報酬の安いオルカンのほうが良いでしょう。
オルカンの買い方とおすすめ証券会社
オルカンは、多くのネット証券会社で購入できます。
SBI証券
Vポイント投資が可能で、多くの投資信託を扱っています。
楽天証券
楽天ポイントでの積立が可能で、SBI証券を同じぐらいの投資信託を扱っています。
また、オルカンはNISAの積立枠と成長投資枠でも利用可能です。
毎月一定額を自動積立することで、ドルコスト平均法を活用しながらリスクを抑えられます。
こんな人にオルカンはおすすめ!
- 投資初心者で「何を選べばいいかわからない」という人
- なるべく低リスクでコツコツ資産を増やしたい人
- ほったらかし投資ができる商品を探している人
- 長期で老後資金や子どもの教育資金を準備したい人
オルカンの将来性と今後の見通し
新NISAでオルカンの人気がさらに高まり、2025年現在、純資産総額は1兆円を超える勢いで増加しています。
日本国内のインデックス投資の中心的存在として確固たる地位を築いているのがオルカンです。
また、世界経済の成長が続く限り、オルカンの価値も長期的には上昇が見込めます。
信託報酬の低さ・運用実績・分散効果のすべてが揃っており、今後も「王道の投資信託」としての地位は揺るがないでしょう。
筆者の意見
オルカンは全世界に投資できる優れた商品ですが、利益率は一国集中の投資信託に劣りますが、長期投資で年利5%以上の利益率が期待できます。
分散が効いているので安定性が高く、そこそこの利益を得られるのがオルカンです。
投資先選びで時間をかけたくない人や、投資を始めようと考えている人にオルカンは相応しい投資先と言えるでしょう。
まとめ:迷ったらオルカン。王道の長期投資に最適な1本
オルカンは世界中に分散投資できる、非常に優れたインデックスファンドです。
- 圧倒的に低コスト
- 全世界に分散投資
- 自動リバランス機能
- 長期投資にぴったり
「何から投資を始めればよいか迷っている」「できるだけ安心して投資を続けたい」という方は、オルカンから始めてみるのがおすすめです。
新NISAやiDeCoと組み合わせれば、より効率的に資産形成ができるでしょう。


