日経225とTOPIXの違いとは?初心者にもわかる日本株インデックスの基礎知識
日本株への投資を検討するとき、必ず目にするのが「日経225」と「TOPIX」という2つの代表的な株価指数です。
似たように見えますが、それぞれ構成や仕組みに大きな違いがあり、投資判断に影響を与えます。
この記事では、日経225とTOPIXの違いを初心者にもわかりやすく解説しながら、どちらに投資すべきか、どのETFや投資信託を選ぶべきかを丁寧に紹介していきます。
日経225とは?|構成銘柄・特徴・計算方法
日経225(にっけいにーにーご)は、日本経済新聞社が算出・公表している日本を代表する株価指数で、「日経平均株価」とも呼ばれます。
この指数は、東証プライム市場(旧東証一部)に上場している中でも代表的な225銘柄で構成されており、日本経済を代表する企業の動向を反映しています。
日経225の特徴
株価平均型
株価の単純平均で指数が計算されています。
日経平均の名前の通り、255社の株価の平均です。
構成銘柄数
225社に固定されており、採用銘柄が上場廃止した際は、別の銘柄が組み込まれます。
銘柄の選定
日本経済新聞社が行っており、業種や流動性などを考慮しています。
歴史のある指数
1949年から算出されており、日本で最も長い歴史を持つ株価指数です。
代表的な銘柄
- ファーストリテイリング(ユニクロ)
- 東京エレクトロン
- ソフトバンクグループ
特に株価の高い企業が指数に大きな影響を与えるため、一部の銘柄に偏りやすいという特性があります。
TOPIXとは?|対象銘柄・特徴・仕組み
TOPIX(トピックス)は、JPX(日本取引所グループ)が算出・公表する株価指数で、正式名称は「東証株価指数」です。
TOPIXは、東証プライム市場に上場している銘柄を対象とするため、日本株市場全体の動向をより正確に反映します。
TOPIXの特徴
時価総額加重型
時価総額が大きい企業ほど指数に与える影響が大きいく、大型株に引っ張られやい傾向があり、小型株の動向は反映されにくいです。
構成銘柄数
約1,700社で構成しており、2028年7月までに約1,200社にする予定です。
分散性が高い
市場全体を網羅しているため、分散性が高いです。
主な構成企業
- トヨタ自動車
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- NTT
TOPIXは日経225よりもバランスの取れたインデックスであり、特定の企業に偏らず、日本全体の株式市場の成長を享受できます。
日経225とTOPIXの違いを一覧表で比較
比較項目 | 日経225 | TOPIX |
---|---|---|
算出機関 | 日本経済新聞社 | 日本取引所グループ(JPX) |
対象銘柄数 | 225社 | 東証プライム(約1,700) |
計算方法 | 株価平均型 | 時価総額加重型 |
銘柄の選定 | 編集委員会が選出 | 市場全体を網羅 |
分散性 | やや低い | 高い |
特定企業の影響 | 株価が高い企業に偏る | 時価総額が大きい企業に影響される |
投資対象としての特徴 | 短期売買向け | 長期投資向け |
投資信託・ETFを選ぶ際のポイント|どちらに投資すべきか
投資初心者にとって、「どっちを選べばいいの?」と迷う場面も多いでしょう。
ここでは、投資スタイルに合わせた選び方のポイントを解説します。
短期で値動きを重視するなら日経225
日経225は、一部の銘柄に影響を受けやすく、値動きが大きくなりやすい傾向があり、短期売買向きです。
短期間で利益を狙いたい人には向いており、リアルに価格が変動するETFのほうが向いています。
NISAの成長投資枠を利用すると、利益に対して発生する20.315%の税金が非課税です。
ただし、短期で利益を狙いやすいと言うことは、短期で損失が出しやすいとも言えます。
長期で安定成長を目指すならTOPIX
TOPIXは市場全体に投資していることになるため、リスク分散がしやすく、長期的に安定した運用が期待できます。
投資信託の積立投資を利用することで、購入時期も分散される利点があり、購入価格を平準化できるでしょう。
NISAのつみたて投資枠と成長投資枠が利用でき、ともに利益が非課税です。

日経225とTOPIXに連動する代表的な投資商品
インデックス投資を行う際は、日経225やTOPIXに連動するETFや投資信託を選ぶことが一般的です。
以下に代表的な商品を紹介します。
日経225連動商品
商品名 | 種類 | 信託報酬(目安) |
---|---|---|
NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321) | ETF | 約0.225% |
iFree 日経225インデックス | 投資信託 | 約0.154% |
ニッセイ日経225インデックスファンド | 投資信託 | 約0.154% |
TOPIX連動商品
商品名 | 種類 | 信託報酬(目安) |
---|---|---|
TOPIX連動型上場投資信託(1306) | ETF | 約0.11% |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 投資信託 | 約0.154% |
SBI・V・国内株式インデックス・ファンド(TOPIX) | 投資信託 | 約0.0938% |
投資信託とETFは信託報酬が重要になり、投資信託で0.2%以内の商品を購入することをおすすめします。
ETFは、投資信託より信託報酬が高くなる傾向があり、0.3%程度までにすると良いでしょう。
特に、eMAXIS SlimシリーズやSBI・Vシリーズは、低コストかつ長期保有向けとして多くの個人投資家に支持されています。
過去のパフォーマンス比較|どちらが強かったか?
近年の年間リターンを比べると、日経225とTOPIXで大きな差が出る年もあります。
- 成長株(ハイテクなど)が強い年は日経225が有利
- 景気回復や大型株が買われる年はTOPIXが優位
このように、その年の相場環境によって優劣が入れ替わるのが現実です。
そのため、どちらが絶対に優れているというよりは、長期で見た平均リターンや投資目的に基づいて選ぶことが重要です。
よくある質問(FAQ)
初心者にはどちらが向いていますか?
TOPIXがおすすめです。
市場全体に分散されており、安定性が高く、長期投資向けです。
日経225は株価の高い企業に偏っている関係で株価の変動が大きくなりやすく、投資初心者では大きなは下落に精神が耐えられずに売却する可能性があります。
そのため、日経225より株価の変動が小さいTOPIXのほうが良いでしょう。
両方に投資するのはありですか?
もちろん可能です。
資産を分散させるという意味でも、両方の指数に連動する投信やETFを組み合わせるのは有効な手段ですが、この方法では円資産の分散投資となります。
日経225とTOPIXへの投資は日本円での投資となり、円のみで投資を行うことになり、通貨の分散ができません。
そのため、他国の指数に連動している銘柄にも投資すると、通貨の分散ができます。
他の日本株指数もある?
あります。
たとえばJPX日経400やマザーズ指数などもありますが、日経225やTOPIXほどの知名度はありません。
筆者の意見
投資信託の積立投資を利用して長期投資で利益を狙うにはTOPIXが良く、ETFで短期の利益を狙うには日経225が良いです。
短期で利益を狙う日経225は、タイミングを見て売買すると良いですが、長期のTOPIXは毎月積み立てるだけのかんたんな戦略では問題があります。
日本経済は30年以上低迷している過去があり、TOPIXへの集中投資は危険性が高いです。
TOPIXは扱いが難しく、投資をする際には出口戦略を考える必要があるでしょう。
まとめ|違いを理解して、自分に合った指数を選ぼう
日経225とTOPIXは、どちらも日本を代表する株価指数ですが、以下のような明確な違いがあります。
✔ 値動きの大きさや成長株に期待するなら日経225
✔ 安定した市場全体の成長に投資したいならTOPIX
自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、どちらに投資するかを検討しましょう。
