みなさんは、何らかの形で銀行を利用していると思います。
給料の振込や事業資金の預け入れ等で、銀行は生活から切り離せなくなっているのが現状です。
みなさんが使っている銀行の業務とは、どのようなものかご存知ですか?
お金を預ける場所という認識はあると思いますが、それ以外で何を思いつきますか?
ここでは、銀行を知ることで、銀行の良い部分と危険な部分の解説を行っています。
銀行業務
銀行が日々行っているさまざまな金融サービスや取引のことを指します。
銀行の主な収益は、手数料と利息です。
銀行の手数料と聞くとATM手数料が有名ですが、ATM手数料も銀行収益の一つになります。
銀行がお金を貸すときに発生する金利が銀行の利益となり、みなさんが預けているお金を銀行は貸し出して、貸し出しで得られる利息が主な収益の一つです。
預金
銀行の業務で思いつくものが預金ではないでしょうか?
預金とは、銀行や信用金庫などの金融機関にお金を預けること、またはその預けたお金自体を指します。
郵便局や銀行にお金を預けることを預金と言い、一般的な預金には大きく分けて二種類あります。
普通預金
いつでも自由にお金の出し入れができる預金のことです。個人でも企業でも使われていて、一番身近な預金の形です。
給料が振り込まれたり、ATMで引き出す口座が普通口座になります。
お金の出し入れが簡単にできるために金融機関の拘束力がなく、拘束力が無い代わりに利息は低いです。
定期預金
一定期間お金を預けることで、普通預金よりも高い利息がつく預金のことです。その代わり、満期になるまで原則として引き出せないというルールがあります。
預ける期間を決め、基本的にその期間は引き出すことができません。
金融機関の拘束力が強い代わりに、普通預金より利息が高くなっています。
貸出
銀行が個人や企業に対してお金を貸すこと、つまり融資(ゆうし)することを指します。預金と並んで銀行の基本的な業務のひとつです。
銀行がお金を貸すことで借り側から利息をもらう、銀行収入の柱の一つになります。
銀行ローンは他のローンと比べて金利が低く、お金を借りる際は銀行で借りるのが一番オトクですが、審査が厳しく審査に時間がかかる場合もあり、すぐにお金が必要なときには向きません。
銀行で借りる際は銀行との信頼関係があると有利になり、普段使用している銀行で借りるのが良いでしょう。
為替
現金を直接やりとりせずにお金のやり取りをする仕組みのこと。
昔は「手形」や「送金の仕組み」のことを指してたけど、今はだいたい「外国為替(外為)」を意味することが多いです。
「為替=外貨」が一般的だと思いますが、銀行間の送金も為替に該当します。
外国為替
異なる国の通貨を交換することです。
良く使われるのが、日本円とアメリカドルの交換ではないでしょうか。
外貨を交換することで銀行には手数料が発生し、その手数料が銀行の利益になります。
国内為替
国の通貨を交換することを外国為替と言いましが、国内為替とは何でしょう?
日本の通貨である円を円に交換しても意味がなく、国内為替は異なる銀行間の送金をさします。
銀行振り込みと呼ばれるものが国内為替であり、実際に現金が銀行間を動くのではなく、数字だけが動く仕組みです。
お金が動かなければ振り込み側の銀行が損をすると思われるかも知れませんが、逆パターンの振り込みもあるため、金融機関間で損しないように調整されています。
国内為替にも当然のように手数料が発生するため、その手数料は銀行の利益です。
銀行の倒産
銀行が倒産するという現象をご存知ですか?
いまでは銀行の倒産はありませんが、バブル経済が崩壊したときに銀行の倒産があり、預金を引き出すために預金者が早朝から銀行の前に並ぶ光景がありました。
当時は、「金融機関は潰れないもの」という認識があり、金利も高かったために「金融機関に預けると安心でお金が増える」というのが一般論でした。
そして、銀行の倒産で銀行安全神話が崩壊して、銀行の倒産を防ぐために経営の厳しい銀行は吸収合併を繰り返して、いまの状態になっています。
預金の保護
万が一銀行が潰れるとどうなるのでしょうか?
日本には預金保護制度というものがあり、銀行が破綻しても一定額までは保証してくれる制度があります。
預金保険の対象となる金融機関 | 預金保険の対象とならない金融機関 |
---|---|
銀行(日本国内に本店があるもの) | 左記の金融機関の海外支店 |
信用金庫 | 外国銀行の在日支店 |
信用組合 | 農業協同組合 |
労働金庫 | 漁業協同組合 |
信金中央金庫 | 信用農業協同組合連合会 |
全国信用協同組合連合会 | 信用漁業協同組合連合会 |
労働金庫連合会 | 農林中央金庫等 |
商工組合中央金庫 | 保険会社、証券会社 |
上記が預金保護の対象になる金融機関と、対象外の金融機関です。
都市銀や地銀が対象となり、ネット銀行も対象になります。
保護対象(上限あり)
銀行や郵便局に普通預金・定期預金・貯蓄預金などで、「1000万円までの預貯金+利息」が対象になります。
1金融機関で1000万円までが対象であり、1金融機関に2000万円を預けると破綻した際に、1000万円しか戻ってきません。
そのため、1000万円以上を預ける際は、1000万円までを1金融機関の上限とし、複数の金融期間に預けるようにしましょう。
下記の表に預金保護対象になるものを記載しています。
預金保険の対象となる預金等 |
---|
当座預金 |
普通預金 |
別段預金 |
定期預金 |
通知預金 |
納税準備預金 |
貯蓄預金 |
定期積金 |
掛金 |
元本補てん契約のある金銭信託 |
金融債(保護預り専用商品に限ります) 等 |
保護対象(上限なし)
無利息型の預金は全額保護対象です。
一般にはあまり知られていない無利息型の普通預金があり、無利息型の定期預金もあります。
利息がつかないから預ける意味がないように思えますが、お金を自宅で保管するリスク(家事や強盗)を回避するために銀行へ預けておくと思っても良いでしょう。
1金融機関に1000万円以上を預けないといけない理由があるときのみ、無利息型を選ぶと良いです。
保護対象外
昨今の円安で外貨預金のセールスが多くなっています。
外貨預金とは日本円を外国の通貨にかえて、外国通貨を預金することです。
この外貨預金は保護対象外になり、為替リスクを背負っている上に倒産リスクも背負っていることを覚えておきましょう。
預金保険の対象とならない預金等 |
---|
外貨預金 |
譲渡性預金 |
金融債(募集債及び保護預り契約が終了したもの) |
特別国際金融取引勘定において経理された預金(オフショア預金) |
無記名預金 |
他人・架空名義預金 等 |
投資信託
新NISAがブームのようになっていますが、銀行や郵便局で購入する投資信託は保護の対象です。
証券会社で購入した投資信託と同じ扱いになり、投資信託は信託銀行で別管理となるため、銀行の資産としては計上されず、銀行が倒産しても購入した投資信託は保護されます。
まとめ
銀行は預金を貸し出すことで借り側から利息を取り、その利息の一部を預金者に還元することで、預金金利を支払っています。
預金者が一斉に現金を引き出すとどうなるでしょう?
お金を貸しているため、銀行には全預金額の現金がなく、預金者全員に支払うことができません。
銀行が倒産しても元本1000万円までは保証されるので、銀行に預ける際は1銀行につき1000万円までにしましょう。
