投資信託の運用商品、どれを選ぶ?初心者向けにポイントを徹底解説

【初心者向け】失敗しない投資信託の運用商品の選び方|目的別に解説!

「投資信託を始めたいけど、商品が多すぎて選べない…」そんな悩みを抱えていませんか?

投資信託は少額から投資を始められ、プロが運用してくれる便利な金融商品ですが、その反面、数千種類もある中から「自分に合った商品」を選ぶのは簡単ではありません。

本記事では、投資信託の基本から、初心者が迷わず商品を選ぶためのポイント、さらに目的別におすすめの商品タイプまで、わかりやすく解説します。
投資信託選びで失敗しないために、ぜひ最後まで読んでください。

目次

投資信託とは?

投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金を、運用のプロ(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散投資し、その運用成果を投資家に分配する仕組みの金融商品です。

投資信託のメリット

少額から始められる
100円から始めることができ、投資初心者でも気軽に投資経験を積むことができます。

プロに運用を任せられる
投資のプロが選んだ銘柄に投資できるため、基本的に投資家は何もする必要がありません。

幅広い資産に分散投資が可能
投資信託は複数の銘柄へ投資しており、200社以上の銘柄にに投資する商品もあります。

自動積立などで手間なく投資できる
自動積立にすることで、手間が省け、購入忘れもありません。

投資信託のデメリット

元本保証でない
株式や債権に投資しているため、価格変動があり、元本保証ではありません。
売却のタイミング次第で、損をする場合があります。

手数料がかかる
運用をプロに任せているため、運用手数料(信託報酬)が発生し、投資信託によっては売買手数料も発生します。

商品によって運用成績に差がある
株式は値動きが大きく、債権は値動きが少ないです。
新興国(途上国)の株式を扱っている投資信託は、値動きが激しい傾向にあります。

ETFとの違い

ETF(上場投資信託)は、株式市場に上場しており、リアルタイムで売買できるため、一般の株式と同じように取引できます。
一般的な投資信託は1日1回の基準価額で取引され、株式のような取引時間中に価格変動するようなことはありません。

ETFの方が、手数料は高くなる傾向にあります。

投資信託を選ぶ前に決めるべき3つのポイント

投資の目的を明確にする

最初に「何のために投資するのか」をはっきりさせる必要があり、目的によって「運用期間」「どの程度のリスクが取れる」かが見えてきます。

主な目的として

老後の資金をつくりたい
長期投資となり、期間が長くなると下落時の回復にかかる時間が取れるため、大きなリスクが取れます

子どもの教育費を準備したい
短〜中期投資となり、リスクが取りにくくなり、安全性を優先しながら、少しのリスクを取ると良いでしょう。

数年後の住宅購入資金を増やしたい
短期投資のため、リスクが取れません。
そのため、値動きの少ない安全性の高い商品が良いです。

運用期間を決める

投資信託には短期〜長期の運用に向いている商品があります。

短期
リスクを抑えた、比較的安全な商品を選びましょう。
値動きの少ない債券型や、債権が多めのバランス型がおすすめです。

長期
投資時間が長くあり、利益が大きくなる株式型がおすすめです。
長く保有することで、価格変動リスクを抑え、複利効果も得られやすくなります。

リスク許容度を把握する

投資には必ずリスクが伴います。
自分がどの程度の値下がりに耐えられるか、どれくらいの資産が減っても耐えられるかを、事前に考えておきましょう。

安定志向
値動きが小さいく、暴落時に強い債権型が良いでしょう。

積極志向
値動きが大きくなる反面、利益率が高くなる株式型がおすすめです。

運用商品の選び方5つのチェックポイント

投資対象(アセットクラス)

投資信託が何に投資しているかを確認しましょう。

株式型
株式に投資しており、大きな利益が期待できる反面、株価の動きも大きです。
特に暴落時は20%以上の下落になることも珍しくありません。

債券型
価格変動が少ない債権に投資するため、暴落時にも強い特徴があります。
ただし、安全性が高い分、利益は株式型より低いです。

不動産投資信託(REIT)
株式と債権の中間ぐらいにの利益と値動きになります。
ただし、手数料が高めに設定されていることが多いです。

バランス型
複数の上記3資産を組み合わせた投資信託です。
株式重視や均等配分のように、いろいろな組み合わせがあります。

地域分散(国内・海外)

地域によってリスクとリターンの特性が異なります。

国内型
為替リスクはありませんが、成長性は限定的です。
いろいろな問題を抱えている日本国の成長性は高くなく、多くの利益は期待しにくいですが、為替リスクがない点が最大のメリットです。

先進国型
安定した成長が期待できる反面、為替リスクがあります。
株価が変動しなくても、購入時より円高に進むと資産価値が下がるため、為替リスクを許容する必要があります。

新興国型
先進国以上に成長が期待できる反面、政治不安や民族問題を抱えている国が多く、株価の上下は激しいです。
さらに、為替リスクもあり、先進国型よりリスクは高くなりますが、爆発力も秘めています。

手数料

以下のようなコストがかかるため、なるべく低コストの商品を選びましょう。

購入時手数料
購入時にかかる手数料です。
積立の場合、毎回の購入時に購入時手数料がかかってきます。

信託報酬
運用管理費用であり、毎日少しずつ購入商品から引かれています。
この費用は全ての投資信託で発生するものであり、信託報酬次第で将来の利益が大きく変わるでしょう。

解約時手数料
信託財産留保額とも呼ばれており、投資信託を売却する際に発生する手数料です。

最近は「ノーロード(購入手数料なし)」で、信託報酬が0.2%以下のインデックスファンドが主流になり、信託報酬以外の手数料を取る投資信託は、ボッタクリと思っても問題ありません。

純資産総額と運用実績

ファンドの「規模」と「過去の運用成績」もチェックしましょう。

純資産総額
純資産総額はファンドの規模であり、純資産が高いほど規模が大きなファンドになります。
純資産が大きほど良く、数百億円以上のファンドは信頼度が高いと言えるでしょう。
ファンドの規模が大きいほど、運用途中でファンドが解散する可能性が低く、安心して長期投資ができます。

長期間安定した成績
安定した成績を長期で出せるファンドは優秀であり、今後も安定した運用が期待できます。
ただし、過去の成績が将来の成績を保証するものではなく、あくまでも商品選びの参考程度にとどめておきましょう。

インデックス型とアクティブ型の違い

インデックス型
各指数(日経平均やS&P500など)の動きに連動しており、手数料が安いです。
長期で見ると値上がりする可能性が非常に高く、長期投資向けの商品になります。

アクティブ型
市場平均を上回る成果を狙う商品で、各指数より上を目指しています。
頻繁に売買を繰り返すため、手数料が高くなる傾向にあり、8割のアクティブ型はインデックス型より投資成績が悪いです。
その2割も、長期ではインデックス型より投資成績が悪くなっています。

アクティブ型は短期で利益を狙う、ハイリスク・ハイリターンな商品であり、長期投資には向きません。

初心者におすすめの投資信託のタイプ

投資初心者にとって、選びやすく安定した成果が期待できるファンドの例を紹介します。

インデックス型ファンド
アメリカ企業に投資する、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、アメリカの500社に投資でき、その中にはアップルやマイクロソフトと言った、世界規模の企業も含まれています。
全世界に分散投資ができる、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、これのみで完結できますが、構成銘柄の約60%がアメリカの企業です。

バランス型ファンド
4資産分散型や8資産分散型が良いでしょう。
ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型」は、日本と海外の株式と債権に25%ずつ投資しており、年利4%ぐらいです。
4資産分配型は、日本年金機構が運用している方法と同じになります。

積立NISA対応ファンド
長期・少額で非課税運用が可能であり、金融庁が定めた基準をクリアーした比較的安全な商品しかありません。
ただし、この基準は、つみたて投資枠対応の商品のみで、成長投資枠は違います。
上記の3商品は、NISAのつみたて枠対象です。

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目的別おすすめ運用商品の例

老後資金のための長期投資

全世界株式型かS&P500が対象のインデックスファンドがおすすめです。
指数に連動する投資信託のため、リスクはありますが、20年以上の長期運用で複利効果が期待できます。
さらに、長期投資では暴落から回復する時間を待つことができるため、リスクの高い商品でも問題ありません。

教育資金を10年以内に準備したい

株式と債権に均等に配分したバランス型ファンドが良く、株式だけでなく債券にも投資することで、価格変動を抑えられます。
株式型より安全である代わりに、利益は株式型より低いです。

数年後に使う予定がある資金

為替リスクがなく、値動きが小さい国内債券型ファンドが良いですが、利益はかなり低くなります。
数年後に使う予定があるお金は価格変動のある投資信託には向かず、無理に投資するのではなく、定期預金に預けている方が無難です。

投資信託選びでよくある失敗と注意点

初心者が陥りがちな失敗例を紹介します。

過去の利回りだけで判断する
過去の利回りは、将来の運用成績を保証するものではありません。
利回りだけで判断すると、リスクが高すぎる商品に投資することになり、結果的に損をする可能性があります。

手数料を見落とす
売買手数料を取る投資信託はゴミファンドであり、売買手数料を見落とすとゴミを掴むことになるでしょう。
信託報酬も重要で、運用期間が長くなればなるほど、将来のお金に大きな差ができます。

分散投資をしていない
同じセクターにのみ投資することはリスクが高くなり、そのセクターが不況になると株価が一気に下がり、回復まで10年以上かかるかも知れません。
セクターの分散は銘柄の分散と同じぐらい重要です。

まとめ|自分の目的に合った投資信託を選ぼう

投資信託は、知識がなくても始めやすい資産運用の方法です。
しかし「どの商品を選ぶか」によって、将来の資産形成の成果は大きく変わります。

重要なことは
・投資の目的を明確にする
・リスク許容度と運用期間を把握する
・手数料・運用実績などを冷静に比較する

初心者の方は、信頼性の高いインデックス型ファンドを軸に、少額からの積立投資で始めてみましょう。
継続することが、将来の資産形成につながっていきます。

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