ETFとは?初心者にもわかりやすく仕組み・メリット・注意点を解説!
投資を始めようと思ったとき、「ETF(上場投資信託)」という言葉を見かけたことがある方は多いのではないでしょうか。
この記事では、「ETFって何?」「投資信託とどう違うの?」「初心者でも大丈夫?」という疑問に対する回答と、ETFの基本からメリット・デメリット・始め方までを分かりやすく解説します。
ETFとは?わかりやすく解説
ETFとは「Exchange Traded Fund(上場投資信託)」の略称になります。
証券取引所に上場している投資信託で、株式と同じような市場でリアルタイムの売買ができるのが最大の特徴です。
ETFは、日経平均株価・S&P500・TOPIXなどの指数に連動するものが多くあり、少額でも分散投資ができるため、初心者に人気の金融商品になります。
ETFの仕組み
ETFは、複数の株式や債券などの資産で構成されている投資信託の一種です。
例えば、日経平均に連動するETFであれば、日経平均に含まれる225銘柄に分散投資される仕組みになっており、一社に集中投資を行うより安全性が高くなっています。
ETFは証券取引所でリアルタイムに売買されており、株価のように価格が常に変動しています。
そのため、投資家はその時々の価格で自由に売買できる点が、通常の投資信託と大きな違いです。
また、ETFでは配当金が定期的に支払われるものが多くあり、配当金目的の投資にも向いています。
ETFのメリット
リアルタイムで売買できる
通常の投資信託は1日1回の基準価額で取引されますが、ETFは株式と同様にリアルタイムで売買が可能です。
タイミングを見て取引したい人にとっては大きな利点になります。
分散投資ができる
1本のETFで数十〜数百の銘柄に分散投資されているため、リスクを分散しながら投資ができます。
個別株よりも安定した運用が期待でき、リスクも個別株より低いです。
少額から投資可能
ETFは1口単位で取引でき、1万円以下で購入できる商品も多数あります。
投資初心者や資金が限られている方にもあっており、毎月の積立投資でも利用可能です。
配当・分配金が得られる
ETFの中には、保有しているだけで年に数回の分配金(配当金)が得られる商品もあります。
配当金を得たい人には良い商品ですが、株価の上昇で儲けたい人には向きません。
ETFのデメリット・注意点
手数料が必要
投資信託同じく信託報酬のような手数料が必要となり、同じ指数に投資してもETFのほうが投資信託より手数料が高くなります。
売買手数料が発生しない投資信託が多い中、ETFは株式投資と同じなため、売買手数料必要です。
自動積立に対応していない場合も
投資信託と異なり、ETFは自動積立に対応していない証券会社もあり、積立投資を行う場合は、取り扱いのある証券会社を選ぶ必要があります。
分配金の自動再投資ができない
ETFの分配金は通常、現金で支払われるだけで再投資は自動で行われず、再投資の際は各自で再購入する必要があります。
ETFの分配金は20.315%の税金を支払う必要があり、分配金が自動で再投資される投資信託は、分配金に課税されることがなく、ETF\は投資信託より税金面で不利だと言えるでしょう。
元本保証がない
ETFは市場での価格変動があるため、元本が保証されているわけではありません。
値下がりリスクは仕方ありませんが、投資である以上はリスクを容認する必要があります。
ETFと投資信託の違い
比較項目 | ETF(上場投資信託) | 投資信託(非上場) |
---|---|---|
売買方法 | 株式市場でリアルタイム売買 | 1日1回の基準価額で注文 |
取引価格 | 市場価格(変動あり) | 基準価額(1日1回) |
コスト | 低め(信託報酬が安い) | 商品により異なる |
最低投資額 | 数千円〜(1口) | 数百円〜(積立可能) |
売買タイミング | 指値注文・成行注文など | 基準価額で自動決済 |
手数料 | 売買手数料+信託報酬 | 信託報酬(ノーロード商品もあり) |
分配金の再投資 | 手動 | 自動で再投資可(再投資型) |
積立投資 | 証券会社による | ほぼ全社対応 |
流動性 | 高い(市場で売買可能) | やや低い(注文後数日かかることも) |
運用者 | インデックス型が多い | アクティブ型とインデックス型あり |
ETFは「株のように買える投資信託」であり、投資信託は「積立に向いた投資商品」という感じで理解すると良いでしょう。

おすすめのETF銘柄【初心者向け】
日本株の代表:1306(TOPIX連動型上場投資信託)
東証に上場
日本円で購入できるEFTのため、為替リスクがありません。
日本の株式と同じように取引ができ、取引可能時間も株式と同じです。
TOPIXに連動
日本の代表的な指数のTOPIXに連動しており、約1,700社に分散投資ができます。
長期保有に適した低コストETF
信託報酬が0.1%を切っており、投資信託で人気のemaxis slim 米国株式(S&P500)と同程度の信託報酬です。
米国株に分散投資:VOO(S&P500連動)
バンガード社が運用
世界有数の資産運用会社が運用しており、安全性が高い商品を提供しています。
米国を代表する500社に分散投資
世界中で有名な、アップル・マイクロソフト・アマゾンのような、米国を代表する企業も含まれています。
ドル建て
米国で販売されている商品のため、購入する際は米ドルになります。
日本円で購入すると、一度ドルに変換する必要があり、売却時は円に戻す必要があります。
そのため、円安で購入して円高で売却すると、為替リスクが発生して損するかもしれません。
全世界株式に投資:VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
世界中の株式に分散投資
新興国を含む47か国に投資ができ、世界中に分散投資が可能です。
ただし、構成国の約半分がアメリカ企業になりますが、アメリカ企業が強いため現状では仕方ないでしょう。
今後、アメリカが弱くなると自動的に構成比率を変更してくれるため、投資家は何もすることがありません。
為替リスクには要注意
VOOと同じくドル建てのため、為替リスクがあります。
ETFの始め方|購入の手順を解説
証券口座を開設する
まずはネット証券で口座開設しましょう。
ネット証券はETFの取扱数が多く、手数料が安い点が魅力的です。
間違っても、対面販売の証券会社での口座開設はやめましょう。
対面販売の証券会社は、証券会社の利益になる手数料の高い商品をすすめられるため、あなたの利益が証券会社に吸い上げられるだけです。
おすすめは、ネット証券大手の楽天証券とSBI証券になります。

ETFを検索する
証券会社の取引ツールやアプリで、希望するETFの「銘柄コード」や「名称」で検索します。
最初は、コードも銘柄名もわからないと思われるので、銘柄入力欄に「ETF」と入力すると、EFTに対応した商品が表示され、そこから購入条件と合う商品を選ぶと良いでしょう。
購入商品が決まると、「グーグルで商品名を検索」してください。
一番上に、販売会社が提供する商品情報へのリンクが表示されるので、それをクリックします。
商品ページが表示されると、「信託報酬」が年間0.3%以下かを確認して、それ以上の場合は購入を見送りましょう。
「信託報酬=手数料」のため、信託報酬が高くなればなるほど、受け取る利益が低くなります。
信託報酬だけは、最低限確認してください。
売買注文を出す
購入する商品が決まると、後は購入するだけのため、数量と価格を設定し、指値注文または成行注文を選択して注文を出します。
最初は少ない数量で成行注文がおすすめです。
初心者に指値で注文することは難しく、最初は購入することが、どのようなものかを体験することが重要になります。
訂正価格がわからない状態で購入するため、高値で購入してもダメージを少なくするために、損しても良い金額で購入しましょう。
状況や分配金を確認
保有中のETFの価格はマイページやアプリで確認可能です。
分配金が出た場合は証券口座か銀行口座に入金されますが、基本は証券口座に入金されます。
海外のETFを購入している場合は、販売国と日本で課税されますが、確定申告を行うことで海外の課税分を取り戻すことはできます。
ただし、NISA口座では日本国内での課税はありませんが、海外では課税され、海外分の課税を確定申告で取り戻すことはできません。
ETFはどんな人に向いている?
ETFは以下のような方に向いています。
- 初心者で分散投資をしたい人
- 投資コストを抑えたい人
- インデックス運用に興味がある人
- 少額から株式投資を始めたい人
- 長期的に資産形成したい人
- 分配金を現金で受け取りたい人
短期トレードではなく、「長期で着実に資産を育てたい人」にETFはおすすめです。
よくある質問(FAQ)
ETFと株の違いは何ですか?
ETFは複数銘柄に分散投資された商品であるのに対し、株は1社の企業への投資です。
ETFはリスク分散がしやすい特徴はありますが、個別株より配当金が低くなる傾向にあります。
個別株は企業分析の知識や時間が必要となり、ETFには個別株のような知識等の必要はありません。
ETFの分配金はいつもらえますか?
ETFによって異なりますが、年1〜4回程度分配金が支払われます。
銘柄の詳細情報を確認しましょう。
新NISAでETFは買えますか?
つみたて投資枠では購入できませんが、成長投資枠での購入は可能です。
年間最大240万円まで購入でき、生涯では1,200万円まで購入できます。
まとめ|ETFは少額で始められる優秀な投資商品
ETFは、投資初心者にも扱いやすく、少額で分散投資ができる優れた金融商品です。
維持コストが低く、リアルタイムで売買できるため、長期的な資産形成に向いています。
まずは自分に合ったETFを少額から試し、投資の第一歩を踏み出してみましょう。