株投資の始め方|初心者でも失敗しない6ステップ
はじめに:株投資を始める前に知っておきたいこと
株式投資とは、企業が発行する株式を購入し、その値上がり益や配当金を得る資産運用です。
しかし「難しそう」「損するかもしれない」という不安から、なかなか一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
近年では、株投資は以前よりも少額で始めやすく、情報も手に入りやすい環境になっています。
特に、1株から買える「単元未満株」や税金がかからない「NISA制度」が普及したことで、投資初心者のハードルは大きく下がりました。
この記事では、株投資初心者が迷わずスタートできる6つのステップをわかりやすく解説します。
この順番で進めれば、知識ゼロでも安全に投資デビューできます。
株投資を始めるための6ステップ
投資の目的を決める
株投資を始める前に、まずは「なぜ投資するのか」をはっきりさせましょう。
目的があいまいなまま投資では、相場の上下に振り回されて売買を繰り返し、結果的に損をする可能性が高くなります。
投資目的の例
短期的に利益を得たい
購入した株を、その日にすべて売ることで、翌日に株を持ち越さないデイトレードや、数日から数週間で売却するスイングトレードがあります。
長期的に資産を増やしたい
経済の成長に投資するインデックス投資や、成長する企業に投資する成長株投資が主な投資です。
配当金で欲しい
年間4%以上の配当を出す企業の株を持ち続けることで、配当金が得られる高配当株投資があります。
短期投資は値動きが大きな株に投資することになり、リスクが高くなります。
そのため、投資初心者にはおすすめできません。
成長株や高配当株は、企業分析が必要となるため、それなりの知識と経験が必要であり、何も調べずに購入すると痛い目を見る可能性が高いです。
初心者がかんたんに投資できるのがインデックス投資であり、投資入門として投資信託のインデックス投資をおすすめします。
投資に使える資金を決める
株投資は、生活費や緊急時の資金を削ってまで行うべきではありません。
まずは「生活防衛資金」を確保し、その上で余剰資金を投資に回しましょう。
生活防衛資金を確保して、近い将来必要になるお金以外を投資してください。
生活に必要なお金で投資を行っていると、株価が暴落しているときにお金が必要になった場合、暴落している状態で株を売ることになり、結果的に損することになります。
このようなことを防ぐためにも、投資は絶対に余剰資金で行いましょう。
資金設定の目安
生活防衛資金
最低でも会社員なら6ヶ月分、自営業者なら1年分の生活費を用意しましょう。
初期投資額
最初は数万円で十分です。
個別株は100株単位(一単元)のため、数万円で一単元を購入できませんが、今は1株から購入できる証券会社があるため、1万円で数名柄を1株づつ購入できます。
投資比率
余裕資金の30%ぐらいまでにしておきましょう。
投資を始めたころは、わからないことだらけのため、多くの余剰資金を投入すると利益が大きくなる反面、損失も大きくなります。
そのため、大きな損失をだすと投資自体が嫌になり、市場から退場することになる可能性が高く、退場を防ぐためにも、最初は少ない資金で投資をしながら学ぶと良いでしょう。
近年は、1株単位で購入できる証券会社が増えたため、昔のように「最低100株単位で数十万円必要」というハードルはありません。
証券会社を選ぶ
株を購入するには、証券口座が必要となり、店舗型(対面式)とネット証券があります。
おすすめは、取引手数料が安く、スマホで簡単に取引できるネット証券です。
ネット証券がおすすめの理由
取引手数料が安い
一部証券会社では、個別株の現物が手数料無料で取引ができます。
投資信託も、売買手数料無料のものが多くあり、管理費も低いものが多いです。
スマホアプリでリアルタイム取引
ネット証券各社はスマホアプリを用意しており、スマホアプリで場所を選ばずに取引できます。
株情報やチャート分析ツールの充実
スマホアプリの分析ツールも優れていますが、PCで専用のアプリを提供している証券会社では、スマホアプリより優れたツールがあります。
これを利用することで、相場の状況を把握しやすくなるでしょう。

2025年おすすめネット証券3選
SBI証券
・国内株、外国株ともに商品数が豊富であり、現物の売買手数料が無料です。
・NISA対応の投資信託が充実しています。
・単元未満株の購入ができ、通常100株単位の個別株が1株から購入可能です。
・Vポイントを使用して投資できます。
楽天証券
・楽天ポイントを使用して投資できます。
・スマホアプリの「iSPEED」が使いやすいです。
・個別株の現物が売買手数料無料で、単元未満株の購入ができます。
マネックス証券
・米国株の取扱数が多いです。
・株主優待の検索機能が充実しています。
NISA・特定口座を活用する
株投資の利益には通常20.315%の税金がかかりますが、NISAを使えば非課税で運用できます。
新NISA(2024年からスタート)
つみたて投資枠(年間120万円)
長期・積立・分散投資向けで、金融庁が認めた投資信託が購入対象です。
成長投資枠(年間240万円)
個別株やETFなど幅広い商品に投資できます。
非課税保有限度額は、つみたて投資枠に600万円あり、成長投資枠は1,200万円の合計1,800万円になります。
特定口座(源泉徴収あり)
税金の計算と徴収が自動
利益に対する税金の計算を証券会社が行ってくれます。
利益から税金を自動で徴収して、証券会社が投資家の代わりに納付します。
確定申告不要
証券会社が税金関係のことを行ってくれるため、確定申告等の税金に関する申請は不要です。
ただし、外国株の二重課税に関しては、投資家が確定申告を行う必要があります。
初心者は、いきなり個別株に手を出すのではなく、NISAの積立投資枠を利用して投資信託から始めるほうが良いでしょう。
個別株は初心者には難しく、かんたんな投資信託から始めることで、投資についての経験を得られます。

銘柄を選ぶ
株選びは、初心者が一番悩むポイントです。
最初は安定感のある企業やETFから始めるのが安心です。
初心者向け銘柄の特徴
業績が安定している
個別株に投資を行う際は、倒産する可能性が極力低い企業を選ぶことが重要です。
株を購入した企業が潰れると、持っている株は価値を失い、投資した金額のすべてがなくなります。
そのため、業績が下がり続けている企業を避けるほうが良いでしょう。
配当実績がある
配当金を出している企業を選ぶと、株価が下がっても配当金を得ることができるため、精神的に楽です。
できることなら、毎年配当金が増えている(増配)企業を選ぶと良いでしょう。
自分がよく知っている企業
業績が良く、増配している企業でも名前を聞いたこともない企業だと、投資先として不安になるかも知れません。
不安な気持ちを少しでも減らすために、よく知っている企業や、応援したい企業に投資するほうが安心感を得られます。
投資対象の例
高配当株
三菱商事・トヨタ自動車・KDDIは誰でも知っている企業であり、3%以上の配当があります。
インデックスETF
日経225・S&P500に連動しているETFです。
株主優待株
オリックス・イオンのような企業は、株主に自社の商品券を年1回配布しています。
それ以外でも、自社商品やQUOカードを配布している企業も良いでしょう。
最初は「知っている企業」に投資すると、ニュースや決算内容も理解しやすくなります。
少額から取引を始める
初めから大金を投じるのはリスクが高いため、少額で練習しながら経験を積むことが大切です。
投資初心者の行動ステップ
1株投資やETFで分散投資
1銘柄に集中する投資は危険性が高く、複数の銘柄に分散投資を行いましょう。
ETFを1本購入すると、内部で複数の銘柄に分散投資を行っているため、最初はETFから始めるのも良いかも知れません。
慣れたら数万円単位で銘柄を増やす
株価が上下しても一喜一憂しない程度になってから、購入銘柄の株数を増やしましょう。
特に下落時にパニックを起こして売ることは悪手であり、下落体制を付けることが重要です。
長期保有を前提
単元未満の銘柄を1単元にすることを考えましょう。
1単元にすることで、株主総会へ出席でき、株主優待がある企業では優待をもらうことができます。
株投資の基本ルール
借金して投資しない
投資は必ず余剰資金で行うことが絶対条件です。
儲かりそうな株があるからと言って借金してまで投資するのは最悪の手段であり、借金して投資を行う行為はギャンブルと同じになります。
複数銘柄に分散してリスク軽減
1社集中投資は、購入した企業が潰れると投資したお金がすべてなくなるため、分散投資をしてリスクを軽減する必要があります。
最低でも10社に分散する必要があり、できることなら20社ぐらいに分散すると安全です。
感情的にならずルールに従う
相場の上下に一喜一憂せず、冷静な目で相場を見ることで、正常な判断ができます。
インフルエンサーのような他者の意見を信用せず、自分自身で調べて判断する必要があり、他者に振り回されることを回避できるような投資家を目指してください。
そして、何があっても、最初に決めたルールを曲げずに投資を行うことが大事です。
株投資を始めるときの注意点
株投資は魅力的な資産運用ですが、注意すべきポイントもあります。
- 借金や生活費を使って投資しない
- 短期で大儲けを狙わない
- SNSや噂だけで銘柄を選ばない
- 経済ニュースや決算情報を定期的にチェックする
- 投資判断は自分自身で行う
筆者の意見
投資は「ギャンブル・怖いもの」と思っている人が多く、正しい方法で投資を行えばギャンブルでも、怖いものでもありません。
証券口座の開設もスマホのみで完結でき、株式売買もスマホのみで行うことができます。
そして、1単元が100株になったことで、少額でも1単元を持つことができ、単元未満株も購入できる良い時代です。
現金を銀行に預けていれば元本保証で安全と思い、銀行が絶対的な存在だと思っている人も多くいます。
しかし、銀行の金利では物価上昇についていくことができず、現金の価値が毎年下がっている事実に気づかに人が多いのも事実です。
物価上昇についていくには、株式のような投資を行うことで年利3%以上の利益を得る必要があり、今ではNISAやiDeC oのような税制優遇の制度を国が用意してくれており、このような制度を活用することで、より多くの利益を得ることができます。
国が良い制度を用意してくれているので、これを活用しない手はありません。
まとめ:今日から株投資デビュー
株投資は、正しい手順を踏めば初心者でも安全に始められます。
6ステップのおさらい
- 投資の目的を決める
- 投資資金を設定する
- 証券会社を選ぶ
- NISA・特定口座を活用する
- 銘柄を選ぶ
- 少額から取引を始める
まずは証券口座を開設し、1株からでも投資を体験してみましょう。
1株1,000円で購入できる優良銘柄が多くあり、毎日のコーヒーを数日我慢するだけで、あなたも投資家の仲間になることができ、インフレに勝つ第一歩を踏み出すことにもなります。
投資は勉強も大事ですが経験を積むことで、ニュースの見方や企業分析力が身につき、政治や経済にも興味を持つことで、今までと違った日本の状態を見れるようになるでしょう。
その知識を投資に活かすことで、安全性の高い銘柄や商品を選ぶことができるようになります。
一歩踏み出す勇気が、あなたの資産形成の第一歩です。
